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絶対に知っておきたい屋根塗装の必要性とその理由 屋根塗装

屋根塗装の一番重要な役割は「屋根が劣化しないように保護する」ことです。屋根の塗装は、7年から15年程度で紫外線や熱などによって劣化して保護の機能が落ちてきます。屋根の塗装の保護が失われると屋根の劣化が急速に進み、建物内部にも影響がでてしまい、改修に多大な費用がかかる可能性があります。

塗装による保護機能が失われる前に再び塗装によって保護機能を復元することが大切なのです。

この記事では屋根塗装が必要な理由、塗り替え時期の目安、屋根塗装の塗料の種類と選び方と費用感など、屋根塗装の基礎知識をご紹介していきます。
屋根塗装で悩まれている方はぜひ参考にしてください。


1.屋根塗装は家を守るために必要

日本瓦以外のスレート、金属屋根、ガルバリウム鋼板、セメント瓦などの屋根材は工場で塗装を行って屋根の上に薄い膜(塗膜と言います)がある状態で販売されております。

数年経過するとこの塗膜が劣化していき、保護機能が失われるため、再度塗装をする必要があります。
屋根を正常に保護できなければ、屋根・建物の劣化が急速にすすんでしまいます。
ですから、屋根を長く使いたい・家に長く住みたい、のであれば屋根塗装は絶対に必要です。


1-1.塗装の3つの役割は美観・保護・機能性

塗装の役割は大きく分けて美観・保護・機能性の3つです。それぞれが、どんな役割をはたしているのかご紹介いたします。

①屋根をキレイにする(美観)

塗装によって屋根に「色」「つや」を表現し、住宅を美しく見せています。経年劣化によって色褪せてしまった屋根を再度塗装することによって元の色に塗り直したり、違う色に変えたりと、塗装の役割で最もイメージしやすいものではないでしょうか。


②雨、紫外線、サビなどから屋根を守る(保護)

日本瓦以外のスレート、金属屋根、セメント瓦などの屋根はそれぞれ紫外線、雨、サビの発生に対しての耐性が高くないので塗装による保護がないとすぐに劣化してしまいます。

塗装で塗膜を形成することで、上記の外的要因の影響を最小限に留めることができます。

どのように保護しているのか詳しく説明していきます。

雨(水) セメント瓦、スレート瓦などのセメントを含む屋根は水を吸い込む性質があるため、塗膜で表面をコーティングすることにより防水を行います。
紫外線 紫外線のエネルギーを塗膜が反射し、直接屋根に届くのを防いでいます。
サビ 金属屋根は水と酸素が存在する環境でサビるため、塗膜がサビを防ぐ膜を作り、水と酸素を通さないことによって保護しています。

様々な劣化が出てくる前に、塗装をすることでスレート瓦の防水性を高め、劣化症状を抑えることが出来ます。

スレート瓦は塗膜の防水性が切れると一気に劣化が進む為、定期的に塗装をすることが重要なのです。


③遮熱や防汚の機能で生活を快適にする(機能性付加)

塗料によって、「遮熱・断熱・防カビ・防汚・弾性・セルフクリーニング」などの機能を持たせることができます。

例えば、遮熱機能がある塗料は太陽からの熱を反射して屋根表面の温度を最大で20℃下げることができ、屋根の熱による劣化を抑えることができます。また、セルフクリーニング機能がある塗料は屋根に付着した汚れを雨によって流すことができます

このように、塗装によって機能性を付加することで、現状の環境をより快適にすることができます。


1-2.家を守っているのは「保護の役割」

屋根塗装の役割には、「屋根に美観を持たせる」「屋根を劣化させる外的要因から保護する」「遮熱、防汚などの機能性を付加することによって生活を快適にする」というものがありました。

このなかでも塗装は「保護の役割」が特に重要です。

塗装による保護がなく、屋根が劣化してしまうと建物内に水が浸入して建物自体の劣化の原因となってしまいます。もし、柱や壁などの建物の重要な部分が傷んでしまうと、補修に多大な費用がかかります。

ですから、屋根塗装は必ず必要なのです。

薄くなった塗膜のまま、放っておくと屋根を雨、紫外線から守っていくことができません。大事な屋根・建物を守っていくためにも、ご自宅の塗装の劣化具合を確かめる必要があります。

次の章でその方法をご紹介いたします。


2.屋根塗装が必要な劣化の症状と目安

建物を守っている屋根の塗装は、紫外線と熱によって徐々に劣化し、一般的に新築の場合だと10年、塗り替えをした場合だと約7~15年程度で本来の保護機能を発揮できなくなってしまいます。

屋根の劣化を早めないために、塗装の保護機能が落ちてきたら塗り替えをし新しい塗膜で保護する必要があります。

では具体的にどのような状態になったら塗り替えが必要なのかをご紹介いたします。


2-1.屋根の劣化状況から見る塗り替え目安

屋根の劣化状況の確認では“屋根に上る事は非常に危険”ですので業者に頼む方法が確実ですが、自分でも確かめる方法があります。

①自宅の外に出て屋根が見下ろせる位置から双眼鏡を使って確認する方法。

②1階部分の屋根がある場合に2階の窓から確認する方法。

それではどのような劣化の症状が塗り替えの目安となるか見ていきましょう。


色褪せ

屋根が色褪せしているということは、塗膜が薄くなってきて塗膜中の顔料が少しずつ外に漏れ出している状態です。この時期に塗り替えを行うと屋根の劣化を抑えることができます。塗装の保護機能が少し残っていますが、そのままにしておく事はオススメしません。専門家や塗装屋に塗り替えの時期を相談するようにしましょう。


カビ・コケが発生している

塗装の保護機能が低下して屋根が水分を含み、カビ・コケが発生しています。カビ・コケが屋根にくっついていると屋根の劣化が早くなってしまいますので、コケ・カビの除去後、塗り替えを行う必要があります。


屋根が反っている

塗装の保護機能がなくなり、屋根に水が染み込むようになってくると、温度変化によって吸水、乾燥が繰り返されます。それに合わせて屋根材が膨張したり反ったりすることでダメージが蓄積され、徐々に反りが大きくなってきます。反りが強い場合には張り替えを行う必要性が出てきますので、反りの発生を抑えるために塗装の保護機能を切らさないようにするか、早期の発見が大事になってきます。


ヒビ・ワレが発生している

ヒビ・ワレの発生は飛来物の衝撃によるものと劣化によって起こっているものの2つがあります。

飛来物の衝撃 飛来物による物であれば業者に頼み、補修をした後に塗り替えを行いましょう。
劣化によって起こっているもの 劣化の原因は塗装の保護機能が無くなったことによってセメント瓦やスレート瓦内部に含まれているカルシウムが溶け出し、屋根の構造がもろくなってしまうからです。ヒビ・ワレが起こっている箇所が一部であったとしても屋根全体の劣化が進んでいる可能性が高いので塗り替えよりも葺き替えがいい場合もあります。外壁劣化診断士のいる業者に劣化具合の診断を頼み、塗り替え、または葺き替えを行いましょう。

サビが発生している

塗装の保護機能がなくなり、金属が酸素と水に反応してサビが発生します。塗り替えを行う前にサビを削る作業をする必要があり、サビが広範囲だと塗替え費用が高くなります。
サビを発見した場合は範囲が小さい内に塗り替えを行いましょう。


塗装が剥がれている

塗膜の劣化が進み、塗装と屋根の一部がボロボロと剥がれてしまっています。
このようになると風や雨によってどんどん屋根から落ちていきます。屋根がむき出しの状態になっており、屋根の劣化が急激に進むので、すぐに塗り替えの相談を行いましょう。


2-2.壁の状況から判断する屋根の劣化具合

外壁が劣化していると必ず屋根も劣化しているわけではありませんが、外壁よりも屋根のほうが太陽から3倍の紫外線、熱を受け、雨にも当たる機会が多いので、劣化が早く進むと言われています。
外壁に次に紹介するような劣化がある場合は、業者に屋根塗装の劣化診断を依頼しましょう。

ヒビ割れ
チョーキング現象
シーリングの劣化(ゴム部分のワレ・断裂)など
屋根 塗膜の剥がれ
コケ・ガビが発生
瓦のヒビ割れなど

以上のように、外壁塗装の劣化が起こっている場合は屋根塗装も同じような劣化、またはそれ以上に劣化していると考えた方がよいでしょう。
ご自宅で外壁塗装の劣化を見つけた場合は業者に屋根・外壁の劣化診断の相談を行いましょう。


3.屋根塗装の塗料の選び方と費用感

塗り替えを行う場合に大事になってくるのは自分の屋根にあった塗料を選ぶことです。

以下を参考にして正しい塗り替えを行えるようにしましょう。


3-1.塗料を選ぶ際はランニングコストを考える

塗り替えを行う上でポイントとなるのは屋根の耐用年数にあったグレードの塗料を選ぶことです。
屋根の耐用年数が長いのに、グレードの低い塗料を選んでしまうと、何回も塗り替えを行う事になり、結果的に費用が多くかかってしまいます。

そうならないためにも、ご自宅の屋根の耐久年数、塗料のグレードによる差を認識し、何年間隔で塗り替えを行っていくか計画を立てる必要があります。

それではまずは、ご自宅の屋根の耐用年数がどれくらいなのか、下の表で確認しましょう。

屋根の種類 特徴 耐用年数
スレート瓦 色や形状が豊富なため現在の建築に非常に多く使用されている 20~25年
セメント瓦 厚みがあるため、遮音性と断熱性が高い。戦後に最も使用された屋根 30~40年
金属屋根 屋根の中で最も軽く建物に負担が少ない。耐久年数を延ばしためには防水、防錆加工などの定期的なメンテナスが必要 30年~50年
アスファルトシングル アメリカでは多くの屋根で利用されている。カッターやハサミで切れるので施工が簡単にできる 20年~30年

次に塗料のグレードによる耐久年数の差を見ていきましょう。

グレード 塗料の種類 特徴 耐久年数
低い ウレタン系塗料 一昔前まではよく使用されていた塗料で、現在は手すりや雨樋に使われている 5~7年
普通 シリコン系塗料 コストパフォーマンスがよく、現在最も人気のある塗料 7~10年
やや高い フッ素系塗料 水をはじく性能があり、分子結合が強いので耐久性が高い 15年以上
高い 無機系塗料 フッ素よりもさらに強い結合のため耐候性がさらに高い 15年以上

屋根の耐用年数、塗料の耐久年数がわかったら次にランニングコストを考えます。

例えば新築から10年経って塗り替えが必要になったセメント瓦屋根があったとします。塗り替えをシリコン塗料(10年耐久)とフッ素塗料(15年耐久)で考えたとするとシリコン塗装工事が120万円、フッ素塗装工事が150万程度かかったとします。セメント瓦は耐用年数が40年なのでシリコン塗料の場合だと3回の塗り替えが必要ですが、フッ素塗料の場合は2回塗り替えで十分です。

初期投資はフッ素塗装工事の方が高いのですが、長い目で見ると総費用はシリコン塗装工事の方が高くなるのです。
塗料を選ぶ場合は残りの屋根の耐用年数にあったグレードの塗料を選ぶことが良い塗り替えにつながります。

【ワンポイントアドバイス】

屋根塗料を選ぶ際にプラスアルファで考えたいのが「遮熱機能」です。遮熱機能が高い塗料の場合、温度上昇の原因である赤外線を反射することによって建物が熱くなるのを抑えることができます。
これは、建物内が暑くなりにくいのはもちろんのこと、劣化の原因となる熱を反射する分、塗膜劣化が抑えられ、耐久年数が延びるためです。

3-2.費用感

屋根塗装にかかる費用は一般的な2階建て住宅(屋根の面積が80㎡)の場合、シリコン塗料で35万円~50万円、高耐久塗料のフッ素塗料や無機塗料では40万円~55万円程度です。
ただ、この金額はあくまでも目安としての金額なので、屋根の劣化状況によっても異なってきます。正確な費用は業者に見積もりを依頼して、出してもらいましょう。

屋根塗装にかかる費用を抑えたい方、詳しい相場を知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

屋根塗装の相場について考えよう


まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は屋根の塗装の劣化を防ぐ「保護」の観点からご説明させて頂きました。
家の劣化が進行しないためにも、下記にまとめたポイントを抑えて、定期的な塗り替えを行いましょう。

  • ●屋根を塗装する役割は「美観」「保護」「機能性」の3つがあり、その中でも特に重要な役割は屋根と建物を劣化から防ぐ「保護」の役割
  • ●屋根の塗装は紫外線と熱などによって劣化し、新築だと10年、1度塗り替えていると7から15年程度で本来の保護機能が発揮できなくなるため、塗り替えを行う必要がある
  • ●外壁塗装の劣化(ヒビやコケなどが発生)している場合は屋根塗装も劣化していることが多いので、業者に屋根の劣化診断を依頼する
  • ●塗り替えを行う場合はランニングコストを考え、自分にあった塗料を選ぶ