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外壁塗装の価格を判断する為に必要な基礎知識 外壁塗装

外壁塗装をしようと思って複数の業者から見積りをもらったけど、価格が全然違って判断できない。提案された塗料メーカーや種類も違うけど、これって何がどう違うの?
このように、業者によって提案される塗料も価格もバラバラで、見積りが適正な価格なのかと疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
外壁塗装の価格は使用する塗料や建物の状態によって変わってくる為に一概にいくらとは言えません。
しかし、その価格の根拠を知れば業者から提案された価格が適正なのかを判断できるようになります。
この記事では、外壁塗装の価格が決まる根拠についてケースごとに詳細に説明いたします。


1.外壁塗装の価格を知るための手段

外壁塗装の価格は使用する塗料、建物の大きさ、劣化状態によってバラバラです。
しかし、ある程度価格相場を知る為の手段がいくつか存在します。

1-1.一般的な価格相場から知る

冒頭でも述べました通り、外壁塗装は使用する塗料や下地の劣化状況によって異なります。さらに、業者によって設定している人件費や諸費用も異なる為に見積りがバラバラになるのです。
しかし、そこまで劣化が進んでおらず特別な処理が必要ないと仮定とすれば、ある程度の相場はわかります。

《外壁塗装の価格相場》

坪数 アクリル塗料 ウレタン塗料 シリコン塗料 フッ素塗料 無機塗料 光触媒塗料
20坪 30〜60万円 40〜70万円 50〜80万円 60〜100万円 70〜120万円 80〜130万円
30坪 40〜70万円 50〜80万円 60〜90万円 70〜110万円 80〜130万円 90〜140万円
40坪 50〜80万円 60〜90万円 70〜100万円 80〜120万円 90〜140万円 100〜150万円
50坪 60〜90万円 70〜100万円 80〜110万円 90〜130万円 100〜150万円 110〜160万円
60坪 70〜100万円 80〜110万円 90〜120万円 100〜140万円 110〜160万円 120〜170万円

※価格は地域や業者・下地の補修の可否などによって変動いたします。
※屋根塗装は含まず


1-2.メーカーの設計単価から相場を知る

実は塗料には1㎡施工した場合の材料代と工賃を合わせた基準価格となる、「設計価格」というものがメーカーから公表されています。
設計価格は定価のようなもので、メーカーのWEBサイトなどで確認できます。
この、設計価格より見積り書に記載されている材工価格の㎡単価が高い場合は、業者が利益を多く設定しているという事になります。

それでは、判断の方法について解説しましょう。

○○ペイントのA塗料の設計価格を調べたところ、¥3,500だったとします。
業者に貰った見積りは下記の通りでした。
(業者によって出される見積りが材工共(材料代と手間賃が一緒になっている)と材工別(材料材と手間賃が別になっている)の場合がありますので両者を例に説明します。)

材工共の見積りの場合

名称 材料 数量 単位 単価 金額
上塗り ○○ペイント A塗料 100 ¥3,000 ¥300,000
合計 ¥300,000

材工別の見積りの場合

名称 材料 数量 単位 単価 金額
上塗り ○○ペイント A塗料 5 ¥30,000 ¥150,000
施工費 100 ¥1,500 ¥150,000
合計 ¥300,000

この場合、両者ともに100㎡で¥300,000なので、㎡単価は¥3,000となります。

設計価格が¥3,500対して、業者からは¥3,000で価格が提示されています。ですので、定価より少し安い価格と判断できます。

注意点として、戸建ての外壁塗装などの面積が少ないもの(300㎡以下)については、メーカーで公開されている設計価格より多少高くなる場合があります。
また、上記で紹介した日本ペイントでは塗装面積300㎡以下の設計価格も公表していますが、300㎡以下の設計価格はオープン価格という形で具体的な価格が公開されていない場合があります。
しかし、設計価格は定価のようなものですから、この価格からあまりにもかけ離れた単価を設定している場合は適正な価格とは言えないでしょう。


2.業者によって価格が違う理由

1章で相場を知る方法はおわかりいただけたかと思いますが、業者によって価格が違う場合があります。

2-1.業者の形態が違うから

業者の種類 特徴
ハウスメーカー・工務店・リフォーム会社など 母体の企業の安定性や定期メンテナンスサービスは安心。しかし、実際に塗装をするのは下請けの塗装会社。元請け利益分の中間マージンがかかる為、割高になる可能性がある。
訪販営業会社 営業専門で受注後は下請けの業者に丸投げする。広告費や利益を多く上乗せするので高額。下請けに低予算で依頼するために、品質も悪い。
塗装専門店 直接頼んだ場合は中間マージンもないので他の形態の業者より割安になる傾向がある。塗装工事を行なう場合は価格・工事ともに一番お得。

外壁塗装をサービスとして提供している業者は、ハウスメーカー、工務店、リフォーム会社、ホームセンター、塗装専門店など形態がさまざまです。

ハウスメーカー、工務店、リフォーム会社が塗装を行う場合は、塗装業者が下請けで入ります。
ですから、元請けの利益分のマージンが価格に入っているのは想像できるかと思います。
すべての会社がそうとは言い切れませんが、このような下請け構造があるため、ハウスメーカーや工務店に頼んだ場合は直接塗装専門店に頼むよりも価格が高めになる傾向があります。


2-2.使用する塗料が違うから

業者によって扱っている塗料が異なるため、塗料が変われば当然価格も変わってきます。
また、塗料のグレードによっても価格が大きく変わります。


2-3.人件費や利益の設定が違うから

塗装工事の価格はざっくり言うと、塗料代と人件費に利益を載せたものです。ですので、同じ塗料を使って、塗料代が同じだった場合でも、業者や職人によって人件費や利益の設定が異なる為に、価格は同じにならないのです。例えばベテランの職人と、経験の浅いアルバイトの職人では手間賃(人件費)も異なります。
また、利益をどれだけ設定するかは業者によっても異なります。


3.適正価格を出す業者を選ぶポイント

ここまで、価格の相場を知る方法や、業者によって価格が異なる理由を説明してきました。具体的な適性価格を知りたいと思っておられた方は、結局、いくらが正しいの?と感じたかもしれません。
結論としては、複数の業者に相見積りを取って価格を比較して、そのなかから価格だけでは判断せずにしっかりとした工事をしてくれる業者を選ぶことが大切と言えます。
なぜなら、相場よりも安くても手抜きの施工をされては結果的に追加のコストが発生します。相場よりも多少高くてもしっかりとした施工を行ってくれる業者なら、結果的に建物が長持ちしてメンテナンスコストが安く上がるかもしれません。つまり、適正価格とはサービスの品質に見合った価格かどうかということです。単純に見積りの提示価格が高いから、安いから、という観点では判断できないのです。


3-1.しっかりとした診断・点検を行なう業者

業者を選ぶ基準はまずしっかりとした診断と点検を行なう業者であるかです。病院でもしっかりとした診断をしないお医者さんに、適切な処置が期待できませんよね。信頼できるお医者さんは病気の原因を調べる為にあらゆる可能性を想定して詳細な診断を行なうでしょう。同じように、外壁塗装でも事前の診断をしっかりとする業者こそ施工もしっかり行ってくれる業者なのです。

具体的には、外壁診断の専門的な資格を持っているか、ちゃんと屋根に登って隅々まで調査しているか、劣化状況をビデオや写真に収めて、報告書を使って詳細は報告をしてくれるかといったことが判断基準となってきます。


3-2.材料と工費が詳細にわかる見積りを提出する業者

外壁塗装工事1式といった内訳がわからない見積りを出す業者には注意してください。材料にいくらかかるのか、人件費がいくらかかるのかが全くわかりません。
作業内容が一切記載されていないために、やってもらえると思っていた部分に追加費用を要求されたりとトラブルになる可能性も高いです。


3-3.複数の提案をしてくれる業者

良い業者は建物の状態をしっかり見極め、さらに消費者の予算や細かい要望に対して複数のプランを提案できる提案力を持っている業者です。
売ることだけが目的の営業会社は契約後は下請けに丸投げしますから、大した提案もせずに契約を急かされます。
そういった業者と契約してしまうと、高い費用を取られた上に品質の低い工事をされてしまう可能性もあります。
業者を選ぶときは、しっかりとした提案を元に親身になって相談にのってくれる業者を選びましょう。


まとめ

外壁塗装の価格の相場、業者によって価格が異なる理由、良い業者の選び方をお伝えしました。この記事で紹介している価格が決まる仕組みや、価格相場の目安を知る事ができたと思います。ただし、ただ単に高い、安いという価格だけで判断せずに、しっかりとした施工を行なう業者を選ぶことが、結果的にお得な外壁塗装を成功させることに繋がるでしょう。